日本での正式な名称は、「財務会計の概念フレームワーク」といいます。
企業会計基準委員会(が頼んだ人達)がつくったものです。
まだたたき台(討議資料)の段階ですが、今後、財務会計の分野で大きな役割を果たすことは間違いないと思います。
簿記の出題というより、影響があるとすると財務諸表論ということになるでしょうか。
まだ検討段階のものですので、いずれにせよ「直接的に」試験に影響がある訳ではないと思います。
直接的な影響がある訳ではありませんが、ルールの作られ方と基礎概念のうち討議資料でとりあげられなかったものについて若干の感想を書いておきたいと思います。
会計のルールのあり方については、様々な姿が考えられると思います。
現実的に存在している方式を大雑把にわけると二つの方式にわけられるといってよいでしょう。
一つは、「体系方式」です・
日本の従来のあり方のように、会計における憲法のような存在(企業会計原則)をつくっておく方式です。
特徴は、ある程度のまとまり(体系)をもっている点と機動的な変更には不向きという点でしょうか。
もう一つは、「バラバラ方式」です。
とりたてて一個のまとまりをもったものではなく、テーマごとにルールを決めていくやり方です。
ピースミール方式などと呼ばれているやり方ですが、アメリカはこのような方式のようです。
不都合があればそれに対する個別的な基準をつくるという方式ですから、対処は早くなるでしょう。
ただ、あまりにルールが多くなりすぎるとルール相互間に矛盾が生ずる等の問題がでてきます。
そこでアメリカでは、それらのルール(基準)を体系化するのではなく、そのルールの元になる考え方(概念フレームワーク)をつくっておいて、基準の改廃の際にその考え方を尊重するという方式がとられているようです。
従来の日本の方式は、「体系方式」でした。
今は、というと、「体系方式」と「バラバラ方式」の中間か、やや「バラバラ方式」に近いといったところかもしれません。
これまで体系的につくられてきたルールをテーマごとにバラしてつくっている訳です。
そのバラバラにつくられている会計基準の数も多くなってきました。
これらの会計基準の改正等の指針としての役割を担うのが「概念フレームワーク」といってよいでしょう。
概念フレームワーク(2)へ