2007年02月03日

リスクからの解放とは何か(4)

概念フレームワークでは、投資家をメインの利害関係者とし、財務報告の目的をその投資意思決定に役立つこととしました。
会計情報に求められるのもその投資意思決定にどれだけ役立つかです。
投資家は、企業に対して資金を投下し、より多くの資金の回収をめざしています。
その資金の投下(又は引上げ)の判断に役立つ情報であることが会計情報に求められるのです。

それでは、より具体的には、投資家の求める会計情報とはどのようなものでしょうか。
投資家は会計情報に何を求めているのでしょうか。

近代経済学の父であり、株式投資でも成功をおさめた経済学者ケインズは、株式投資は、美人コンテストのようなものだといったそうです。
美人である基準は、時代や地域、個人的な嗜好によっても異なります。
単純にいってしまえば、明確な基準のない人気投票のようなところがあります。
株式投資もそれと同じように、人気投票の要素を持っている事をいいたかったのでしょう。
事実、個人投資家の場合は、あの会社(や商品)が好きだからといったことも充分な購入理由になります。

しかし、概念フレームワークでは、投資家として、いわば株式投資を行うプロ(機関投資家)を想定しています。
プロは自分が好きだからといった理由で株を購入はしないでしょう(たぶん)。
なんかすごい事(←どんな)をして購入する株を決めている筈です。
素人を相手にしないとは不心得なと思われるかもしれませんが、世の中そんなものです(←何かあったのね)。
洗練された会計情報を洗練された投資家が扱う、少なくとも概念フレームワークでのイメージはそんな感じでしょうか。

機関投資家をはじめとする投資家が究極的に求めるのは、株価の推移でしょう。
将来の株価の予想です。
株価が上がるのがわかれば、「カイ」ですし、株価が下がるのがわかれば、「ウリ」です。
しかし、株価そのものには上記のような人気投票の要素もあって実際の短期的な動向を予想することは不可能です(できれば大もうけですな)。

企業は利益を上げる事を目的にしています。
投資家は、企業がどれだけの利益を上げるであろうかを予想し、その予想に基づいて投資を行います。
市場の平均的な予想(これが現在の株価に投票結果として反映されています)を超えていれば、「カイ」という判断を行うでしょう。
逆に下回れば「ウリ」という判断を行うでしょう。

会計情報に求められているのは、このような投資家の行う判断の参考資料としての役割です。
もっともそれは直に将来の株価を予想したり、企業を評価したりするためのものではありません。
自らの投じた資金を企業がどのような事業に投じ、そして、それがどのような状態(ポジション)にあり、そしてどのような成果を上げたのか。
このような企業が行った投資の状態(ポジション)とその成果に関する「結果としての」情報が財務報告に求められているのです。

概念フレームワークでは、「投資のポジション」を貸借対照表が示し、「投資の成果」を損益計算書が示すと考えています。
そして、「投資の成果」を示すのが利益である以上、利益はその投資目的に応じたものである必要がある。
概念フレームワークはそう考えたのです。

リスクからの解放とは何か(5)へ
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。