財産法:期末純資産−期首純資産=純利益
損益法によれば、純利益は収益と費用の差額として算出されます。
財産法によれば、純利益は、期末純資産と期首純資産の差額(純資産の変動額)として算出されます。
損益法と財産法による利益計算の結果は一致します。
結局のところ純利益は、純資産が一定期間にどれだけ増えたのかを意味していることがわかります。
利益を入ってきた財産(収益)から出て行った財産(費用)の差額として計算するのが、損益法です。
利益を時点間の純資産の差額として計算するのが財産法です。
「純資産の変動額」をフロー(出入)の差として計算するか、ストック(在高)の差として計算するかが両者の違いです。
両者が一致するのはいわば当然ともいえるでしょう。
このことは純資産を例えば「水」に置き換えても同じです。
今、水槽に1リットルの水があるとします。
この水槽に4リットルの水をバケツで加え、3リットルの水をバケツで外に出します。
水槽には2リットルの水が残ります。
財産法:最後にある水(2リットル)−最初にあった水(1リットル)=1リットル
損益法:入れた水(4リットル)−出した水(3リットル)=1リットル
損益法と財産法は、純資産の増量計算に過ぎません。
純資産を水に置き換えても全く同じことが言えます。
もちろん、水を例えば、お金に置き換えても同じですし、パチンコの玉(←かえってわかりにくいって)でも同じです。
企業会計上、水やお金に相当する「純資産」が極めて明確であれば、純利益もそれほど難しくはないでしょう。
また、収益や費用が明確であれば、純利益は両者の差引計算ですので、単純です。
では、これらの概念、すなわち純資産、費用や収益がそれほど明確なのかです。
純資産、収益や費用は、水やお金やパチンコ玉のように、誰にでもわかる程に明確なものなのでしょうか?
また、これらを定義することは容易なのでしょうか?
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