2006年01月12日

続・手形割引の会計処理(4)

手形には、遡及という仕組みがあり、手形を他者に譲渡しても遡及義務という偶発債務を負うことになります。
この偶発債務を帳簿上に記録しておく方法には、いわゆる備忘記録としての「対照勘定法」と「評価勘定法」とがあります。
手形の割引高等は、注記事項ともされていて、備忘記録は、この金額の補足にも役立つといわれます。

今回は、このうち、対照勘定法について考えてみたいと思います。

対照勘定法に関しては、実務家として一つの感想があります。
それは、対照勘定法は、あまりにも面倒ではないかという点です。
簿記を学習している皆さんに面倒とは何事かとお叱りを受けそうですが、この面倒(の解消)というのが、案外と大事な場合は少なくありません。
少なくとも私は、対照勘定法を(手形割引に限らず)実務で採用したことがありません。
必ずしも簿記の本来の記録ではないのに、複数の科目を用意し、その記録を行うことは、とても面倒です。
何故、わざわざ帳簿(主要簿)に記録しておかなければならないのでしょうか。
特に実務についてからは、何でこんな面倒な処理が紹介されているのか、不思議に思うようにすらなりました。
ただ、対照勘定法という処理方法が、面倒だから、全面的に紹介するのをやめてしまえという訳でもありません。

対照勘定は手形割引等の偶発債務の備忘記録以外にも、割賦販売等の会計処理で登場することがありました。
割賦販売の収益の認識を回収基準で行う場合です。
この場合にも面倒であることに変わりはないのですが、この場合の対照勘定法は、収益の認識基準に見合った会計処理になっています。
このことは、未実現利益整理法と比較するとよくわかると思います。
未実現利益整理法は、ちとインチキくさいです。
収益を回収をもって認識するといっておきながら、利益のみで調整している訳ですから。
その意味では、少なくとも、割賦販売等における対照勘定法は、理屈の上では、筋がとおっているといってよいでしょう。

割賦販売の場合の対照勘定法が、少なくとも理論的には推奨できる方法とするなら、手形割引時の対照勘定法は、いったいどうなのでしょうか。

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posted by 講師 at 21:31| Comment(0) | TrackBack(1) | 続・手形割引の会計処理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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