手形には、期日(満期)がありますので、銀行は、ただでは換金してくれません。
割引料と呼ばれる手数料(のようなもの)をとります。
割引料は、手形の満期までの期間に応じて、利率をかけて算出されます。
この場合の利率は、その手形割引を行う者ごとに異なりますので、銀行は、この割引料を純粋な利息としてとっているといってよいでしょう。
さてさて、この手形割引がいったいどういう取引なのかについては、二つの考え方があるようです。
一つは、手形(手形債権)を銀行に売ったとする考え方です。
便宜上、「売買説」と呼んでおきましょう。
もう一つは、銀行から手形を担保にして資金を借りたという考え方です。
こちらは、「金融説」と呼んでおきます。
おおまかには、法律的(形式的)な立場からは、売買説が正しいとされる場合が多いようです。
ただし、経済的(実質的)には、金融説が妥当するといってもよいでしょう。
つまりは、結構、微妙です。
微妙な話はひとまずおいておいて、「売買説」及び「金融説」の会計処理を示しておきましょう。
額面100円の手形を90円で割引いた例です。
売買説:
(借)現金預金 90 (貸)受取手形100
手形売却損10
金融説:
(借)現金預金 90 (貸)借入金100
支払利息 10
または、
(借)現金預金 90 (貸)借入金90
金融説における支払利息は、経過勘定項目ということになりますので、決算を経れば、金融説の二つの処理の結果は、一緒になります。
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