会計学を学習しはじめた当初、幾度となく聞かされました。
期間損益計算が重要だろうことは、初学者だった私にもわかりました。
収益から費用を引くと利益がでる。
これが大事なんだ。
その事はわかりました。
しかし、反面、なんとなくぼやーっとしていた事も覚えています。
とても曖昧に感じていたのもまた事実だったのでしょう。
少なくとも私には、とても曖昧に感じられた「利益」。
ここでは、期間損益計算の結果算出される利益概念(純利益といった方が正確でしょうか)について考えてみたいと思います。
とはいっても正面から利益概念をとりあげる訳ではありません(というか出来ませんが)。
利益の計算方法を考えるといった方が適切でしょうか。
いや、利益計算という視点から概念フレームワークの基礎的な概念(財務諸表の構成要素)を眺めるといった方が適切かもしれません。
例のごとく、長丁場で結論は出ないかもしれません。
いや、結論はきっと出ません。
それでもお付き合いいただける方(というかできれば皆さん←なら言うなみたいな)のお付き合いの程、よろしくお願い申し上げます。
まずは、極めてなじみのある取引をもとにちょっと考えてみましょう。
(例)100円の商品を仕入れ、これを150円で販売した。
この場合の利益(もうけ)は、150円−100円=50円と算出されます。
今、単純な個人企業を想定して、一連の会計処理を考えてみましょう。
出資:(借)現金預金100 (貸)資本金100
仕入:(借)仕入100 (貸)現金預金100
売上:(借)現金預金150 (貸)売上150
決算整理(この場合はありません)を経て、損益計算書には、収益(売上=150)と費用(仕入→売上原価=100)が記載されます。
当期純利益は、収益と費用の差額の50円です。
このように収益と費用の差額として純利益を算出する方法は、損益法と呼ばれています。
上記事例で、純利益は、最後(期末)の純資産(純財産)−最初の純資産(純財産)としても算出することが可能です。
最後の現金預金150−最初の現金預金=50
このような純利益の算出方法は、財産法と呼ばれています。
損益法による純利益と財産法による純利益は、一致します。
ええ、一致します(たぶん←いや、そうでしょ←そうか?)。
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